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ファイバーポストとメタルポスト、脱離と歯根破折をどう考える?🦷

根管治療後の支台築造では、ポストの脱離だけでなく、歯根破折が起きたときに歯を残せるかも考えます。

【まず結論】

ポストの材料名だけで選ばず、根管の形、残存歯質、フェルール、接着操作を確認します。15年間の比較では、金属ポストの歯で歯根破折による失敗がファイバーポストより多く認められました。ただし、ポスト材料による成功率・生存率の差は統計学的に有意ではありません。


【何を比べた研究?】

根管治療後にポストと単冠修復を必要とした131人・182歯を対象とした無作為化比較試験です。金属ポストとガラスファイバーポストを比較し、3年、5年、15年に追跡しました。ファイバー群では根管が小さい歯には既製品、幅広い楕円形の根管にはカスタムタイプを使用しました。2種類のファイバーを同一条件で無作為に比較したわけではありません。


【成功と生存はどう違う?】

この研究の成功は「最初のポストが残っていること」、生存は「介入後も存在していること」です。成功率が低い分を、すべて脱離した歯と解釈することはできません。いずれも時間経過を考慮した推定値です。


【15年後の結果】

・金属ポスト:成功率48.0%、生存率53.6%

・既製ガラスファイバー:成功率59.2%、生存率68.5%

・カスタムガラスファイバー:成功率49.5%、生存率55.3%

材料の効果に統計学的有意差はなく、どちらが必ず長持ちするかを証明する結果ではありません。再診率は91.6%でした。


【歯根破折と脱離を分けて考える】

金属ポストの歯では、歯根破折による失敗がガラスファイバーより多く報告されました。歯根破折は保存の可否にも関わるため、失敗の件数だけでなく、何が起きたかを分けて説明することが大切です。抄録には群別の脱離件数・脱離率が記載されておらず、この研究から脱離の多寡は判定できません。


【脱離リスクに備えて、診療で確認すること】

① 築造前に残存歯質とフェルール、根管形態を確認する。

② ポストの適合、根管内の清掃・防湿、接着材やセメントの製品指定手順を確認する。

③ 装着後はクラウンの動揺や辺縁の変化、患者さんの違和感を確認し、脱離を疑う場合は歯根の状態も含めて原因を評価する。

これらは一般的な臨床上の確認点であり、本試験が各操作の脱離予防効果を直接証明したものではありません。


【読み取る際の注意】

異なる歯種が含まれ、単冠修復を対象とした研究です。すべてのポスト製品やブリッジ支台へそのまま一般化しません。既製ファイバーとカスタムファイバーは根管形態に応じて選択されているため、その数値差を製品の優劣とは断定できません。


【先生方はどう判断していますか?】

❓ 脱離を繰り返した場合、ポストの適合・接着・残存歯質をどの順番で確認していますか?

❓ 根管が幅広い症例では、保存と再治療のしやすさをどう説明していますか?


【出典】

Van Landuyt KL, Wouters E, Zicari F, et al. Randomized controlled trial comparing glass-fiber versus metal posts in single-crowned teeth: 15 Year follow-up. J Dent. 2025;156:105694. doi:10.1016/j.jdent.2025.105694. PMID:40096878.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40096878/


画像はポストと歯の構造を表す概念イメージです。


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