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根管治療後の大臼歯、直接CRとクラウンをどう選ぶ?破折リスクも考える🦷
残存歯質が多い根管治療後の大臼歯でも、修復方法を選ぶときは破折と咬合条件を確認します。

【まず結論】
残存歯質が多い根管治療後の大臼歯でも、残存壁の厚さ・範囲とブラキシズムなどの咬合条件を確認します。直接CRは歯質を温存できる選択肢ですが、経過中の修復物や歯の破折にも注意が必要です。
【何を比べた研究?】
残存軸壁が3面以上あり、厚さが2 mmを超える根管治療後の大臼歯を持つ60人を、直接CR修復とメタルセラミッククラウンの各30人に割り付け、3年間追跡した無作為化比較試験です。53人が3年の追跡を完了しました。
【3年後の生存率】
修復物の3年生存率は、クラウン93.3%、直接CR 76.7%。数値の差は統計学的に有意ではありませんでした(p=0.061)。「同等と証明された」とも「クラウンが有意に優れた」とも言えません。失敗には修復物の再製が必要な二次う蝕、修復物・歯の破折、再根管治療などが含まれ、歯の破折率そのものではありません。
【破折はどのように起きた?】
直接CR群の失敗7件のうち、3件は辺縁部の二次う蝕、2件は辺縁隆線付近の修復物の破折、2件は咬頭と辺縁隆線の間の歯質の破折でした。破折した4件は患者の希望でクラウンに置き換えられました。破折例のうち2人にはブラキシズムが認められています。これらはこの試験の観察件数で、すべての根管治療歯の破折確率ではありません。
クラウン群の失敗は2件で、いずれも症状と画像所見を伴う根尖病変への対応が必要となったケースでした。1件はクラウンを除去して歯内療法、もう1件は保存不能と判断され抜歯されました。クラウン群でも歯周・根尖組織を確認します。
【破折リスクをどう見る?】
研究全体ではブラキシズムが失敗の予測因子でした(ハザード比12.8、95%信頼区間1.2〜133.3)。推定の幅は広く、すべての患者でリスクが正確に12.8倍になるという意味ではありません。これは破折だけでなく研究で定義した失敗全体との関連です。
診療では、①残存壁・辺縁隆線・咬頭の状態、②既存の亀裂や欠損範囲、③ブラキシズムや咬合接触、④歯内療法の再介入や修理の可能性を確認し、修復に伴う歯質削除も含めて選択肢を比較します。これらは結果を踏まえた臨床上の確認点であり、この試験が各確認項目の介入効果を検証したわけではありません。
【この結果を使うときの注意】
対象は歯質欠損の小さい大臼歯で、残存壁の少ない歯へ同じ結果を当てはめられません。比較したクラウンはメタルセラミックであり、すべてのクラウン材料の成績を示すものでもありません。追跡期間は3年です。
【先生方はどう判断していますか?】
❓ 残存壁が多くても、どのような咬合所見があると咬頭被覆を検討しますか?
❓ 直接CRを選択した後、辺縁や破折をどのように経過観察していますか?
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【出典】
Abu-Awwad M, Halasa R, Haikal L, et al. Direct restorations versus full crowns in endodontically treated molar teeth: A three-year randomized clinical trial. J Dent. 2025;156:105699. doi:10.1016/j.jdent.2025.105699. PMID:40107598.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40107598/
画像は修復方法を表す概念イメージです。
