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表面麻酔、塗り方と待ち時間で注射の痛みは変わる?🦷
上顎の抜歯が必要な36人の比較試験で、表面麻酔薬を含む粘膜接着パッチを使った側は、ゲルを使った側より注射時の自己申告痛が低くなりました。

【まず結論】
表面麻酔は薬剤の名前だけでなく、粘膜にどう保持し、どれくらい作用させるかまで確認したい処置です。ただし、今回の比較はパッチとゲルで適用時間も違うため、どちらの要因が差を生んだかは分けられません。
【何を比べた?】
左右の上顎で抜歯が必要な健康な患者36人を対象に、同じ人の左右をランダムに割り付けた比較試験です。20%ベンゾカインを含む試作の粘膜接着パッチを10分間適用した側と、同濃度のベンゾカインゲルを30秒間適用した側で、頬側・口蓋側への注射時の痛みを評価しました。
患者自身が0〜10で答える痛みの尺度(NRS-11)と、声・目・動きから観察者が評価する尺度(SEM)を使用しました。
【結果:患者が感じた痛みは両部位で低下】
自己申告の痛みは、頬側・口蓋側のどちらもパッチを使った側で有意に低い結果でした。一方、観察者によるSEM評価では、口蓋側に有意差があり(p=0.011)、頬側には有意差がありませんでした(p=0.075)。抄録には各群の痛みの平均値は記載されていません。
【なぜ差が出た?】
薬剤を粘膜に保持する方法や接触時間が影響した可能性はありますが、この試験はそれぞれの効果を分離していません。「10分待てば必ず痛くない」「パッチの形が原因」とは結論できません。
【明日の診療で確認すること】
・使用する表面麻酔薬の添付文書で、適用部位・量・適用時間・禁忌を確認する。
・麻酔薬が目的の粘膜にとどまるよう、製品の使用方法に沿って適用する。
・口蓋側の注射では、患者さんへ処置を説明し、表面麻酔後も反応を見ながら進める。
・効果や不快感を患者さんに尋ね、必要に応じて処置を調整する。
これらは試験結果を踏まえた確認事項であり、この試験が各手順の効果を個別に検証したわけではありません。研究に使われた試作パッチや20%ベンゾカインを日本でそのまま使用することを勧めるものではありません。国内で使用できる製剤の承認内容と添付文書に従います。
【研究の限界】
対象は36人で、上顎への注射を比較した研究です。小児や他の部位にも同じ結果が得られるとは限りません。製剤形態と適用時間が異なるため、結果を片方だけの効果として扱えません。
【先生方はどう工夫していますか?】
口蓋側への注射前、表面麻酔の適用部位や待ち時間をどのように確認していますか? 患者さんへの声かけもぜひ教えてください。

【出典】
Sahebalam R, Sheibani A, Bagheri H, et al. Mucoadhesive patch versus benzocaine gel for reducing injection pain: a split-mouth randomized clinical trial. Oral Maxillofac Surg. 2026;30:137. doi:10.1007/s10006-026-01615-8. PMID:42625076.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42625076/
https://doi.org/10.1007/s10006-026-01615-8
画像は表面麻酔の概念イメージです。研究用の試作パッチや製品を再現したものではありません。
