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上顎前歯の頬側骨欠損が5 mm以上ある症例でも、骨造成を併用した即時埋入が、10年後に明らかに不利とは言えませんでした。

10年後のインプラント周囲の辺縁骨変化は、即時埋入群で−0.71 mm、遅延埋入群で−0.36 mm。群間差は統計学的に有意ではありませんでした(p=0.063)。
つまり、この研究の条件では「頬側の骨が欠けているから、即時埋入は長期的に不利」とまでは言えなかった、という結果です。
即時埋入とは、抜歯と同じ日にインプラントを入れる方法です。
遅延埋入とは、抜歯した部位の骨の形を保つ処置を行い、治癒を待ってからインプラントを入れる方法です。
今回の研究は、治療法を偶然で割り付けて比べるランダム化比較試験(RCT)です。上顎の見た目に関わる部位で、抜歯後に頬側骨欠損が5 mm以上あった40名を、20名ずつ2群に分けて10年間追跡しました。
・対象 40名(即時埋入20名/遅延埋入20名)
・頬側骨欠損 5 mm以上
・10年後の辺縁骨変化 −0.71 mm/−0.36 mm(p=0.063)
・審美スコア合計 15.00/14.07(p=0.218)
・患者満足度 群間差なし(p=0.556)
この研究から臨床で押さえたい点は3つです。
✅ 即時埋入群では、インプラントを入れるだけでなく骨造成も併用していました。
✅ 対象は上顎の審美領域で、インプラントを安定させられる口蓋側の骨がある、選択された症例です。
✅ 骨欠損の大きさだけでなく、症例選択、骨造成、仮歯、最終補綴までを一連の計画として考える必要があります。
今回の研究は単一施設で行われ、10年時点で評価できたのは各群15名でした。手術と補綴は経験のある術者が担当しています。
また、「統計学的な差がなかった」という結果は、2つの治療が同等だと証明したことを意味しません。すべての骨欠損症例へそのまま広げて考えることはできません。
だからこそ気になるのが、実際に診療している先生方の判断です。
❓頬側骨欠損がある審美領域で、即時埋入を選ぶときに最も重視している所見は何ですか?
❓骨造成や仮歯の設計で、長期安定のために特に工夫していることはありますか?
「この所見なら遅延を選ぶ」「仮歯はここを工夫している」「これは予想より難しかった……」など、皆さんのリアルな経験談もぜひ聞かせてください!
※歯科医療者向けの論文紹介であり、個別の診断・治療指示ではありません。
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Meijer HJA, Slagter KW, Gareb B, Hentenaar DFM, Vissink A, Raghoebar GM. Immediate single-tooth implant placement in bony defect sites: A 10-year randomized controlled trial. Journal of Periodontology. 2025;96(2):151–163.
DOI: 10.1002/JPER.24-0251
PMID: 39129325