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フルアーチのスキャンがつながらない?スキャンボディの延長体で変わる精度と時間🦷
無歯顎の下顎模型を使った実験では、特徴的な形の延長体をスキャンボディに付けると、長い区間の読み取り誤差と撮影失敗が減りました。

【まず結論】
フルアーチのインプラントスキャンでは、スキャンボディ間をどう読みつなぐかを確認します。今回の模型実験では、特徴的な形を持つ延長体を追加した条件で、長い区間の位置の誤差が小さくなり、撮影失敗も減りました。
【スキャンボディと延長体とは?】
スキャンボディは、インプラントの位置や向きをデジタルデータに取り込むための部品です。延長体は、その周囲に読み取りの目印となる形態を加える補助部品です。無歯顎のように特徴が少ない面では、画像をつなぎ合わせる際の目印が不足しやすくなります。
【どんな研究?】
4本のインプラントを設けた無歯顎の下顎模型を、2種類の口腔内スキャナーで撮影しました。延長体なし、市販の延長体、通常の印象用コーピングを利用したもの、特徴的な凹凸を付けた3Dプリント延長体2種類の計5条件を比較しています。3Dプリント延長体は、隣のインプラント方向または歯列の中央方向に向けました。
各スキャナー・条件ごとに有効なスキャンを30回取得し、インプラント間距離を基準測定と比較。平均誤差の大きさ、ばらつき、撮影時間、修復できず最初からやり直した失敗を調べました。
【結果① 長い区間の誤差】
2種類のスキャナーを合わせた解析では、特徴的な形の3Dプリント延長体によって、最も長いインプラント間距離の平均誤差が延長体なしに比べ約40〜57μm小さくなりました。改善の程度はスキャナーと延長体の組み合わせで異なりました。中央方向に向けた形では、繰り返し測定のばらつきも改善しました。
【結果② 時間と撮り直し】
延長体を使った各条件では、成功したスキャンの撮影時間が延長体なしより18〜41%短くなりました。重大なつなぎ合わせエラーによる失敗は、延長体なしの13%に対し、特徴的な形の延長体では3%でした。時間は成功したスキャンの撮影時間であり、器具準備や取り付けまで含む全診療時間ではありません。
【どうして読み取りやすくなる?】
著者らは、異なる形の目印が画像の位置合わせを助け、長い無歯顎区間をつなぐ手がかりになったと考察しています。一方、似た形を別のスキャンボディと取り違えたり、固定した部品が少し動いたりすると、歯列が重複して表示される失敗も観察されました。目印を増やすだけでなく、形の区別と固定も重要です。
【診療で確認したいこと】
① 事前に使用スキャナーとインプラントシステムの対応、メーカーの手順を確認する。
② スキャンボディや補助部品が安定しているか、認識に必要な面が隠れていないか確認する。
③ 取り込み画面で歯列やスキャンボディの重複・欠落を確認し、エラーが残ったまま設計へ進まない。
④ フルアーチ補綴の適合は別途確認する。誤差の減少を、そのまま患者さんの補綴物の成功率に置き換えない。
【結果を読むときの注意】
実験は一人の術者による下顎模型で、口腔内の唾液や動きなどを再現した臨床試験ではありません。専用の試作品を用いた条件があり、同じ形の器具を自作して口腔内で使うことを推奨した研究ではありません。国内で使う製品の適応や使用指示は別に確認します。
【先生方はどうしていますか?】
❓ 無歯顎フルアーチの画像がつながりにくい場合、読み取りの目印や固定をどのように確認していますか?
❓ 撮影後の重複やスキャンボディの欠落を、設計前にどのようにチェックしていますか?
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【出典】
Baranowski JH, Braian M, Franke Stenport V, Wennerberg A. Investigations of Intraoral Scan Body Extensions. Effect of Design on the Accuracy, Usability, and Feasibility for Digital Full-Arch Implant Scans In Vitro. Clin Oral Implants Res. 2026;37:1172–1183. doi:10.1111/clr.70158. PMID:42467548.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42467548/
https://doi.org/10.1111/clr.70158
画像はスキャン方法を説明する概念イメージで、原著の模型や器具を再現したものではありません。
