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骨粗鬆症の薬と抜歯相談、使用年数まで確認していますか?🦷

骨粗鬆症の治療で骨吸収抑制薬を使った42,378人の研究で、薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)は44人に認められました。抜歯などを検討する際は、薬の名前だけでなく、これまでの使用期間も確認したいところです。

【まず結論】

骨粗鬆症治療薬の使用中に歯科処置を検討するときは、薬剤名・使用期間・切り替え歴と歯科処置歴を確認し、患者さんや処方医と情報を共有します。この研究は発症がまれな一方、累積使用期間と侵襲的な歯科処置がMRONJと関連したことを示しました。薬を自己判断で中止したり、一律に抜歯を避けたりする根拠ではありません。


【MRONJと対象の薬】

MRONJは薬剤関連顎骨壊死の略です。この研究では骨粗鬆症・骨折予防のために骨吸収抑制薬を処方された人を調べました。ビスホスホネート製剤やデノスマブが対象です。がんに用いる用量・対象集団の結果ではありません。


【どんな研究?】

米国退役軍人医療制度で歯科診療の給付を受ける50歳以上の42,378人を後ろ向きに調査し、電子診療記録からMRONJを確認しました。381,437人年の観察で44人に発症があり、20年の累積発症率は0.18%(95%信頼区間0.13〜0.25%)でした。これは年間発症率ではありません。


【結果① 薬剤の累積使用期間】

背景因子を調整した解析で、骨吸収抑制薬の累積使用期間が1年長いことと、MRONJ発症のハザード比1.34(95%信頼区間1.15〜1.56)が関連しました。年数だけで個人の発症確率を計算できるという意味ではありません。


【結果② 侵襲的な歯科処置】

直近の侵襲的な歯槽処置があることは、調整ハザード比4.40(95%信頼区間1.70〜11.38)と関連しました。これは相対的な発症速度の比較で、処置を受けた人の4.4倍が必ず発症するという意味ではありません。処置が必要になった背景も影響し得るため、この観察結果だけで処置が原因と断定できません。


【抜歯相談で確認したいこと】

① 薬剤名と使用目的:骨粗鬆症か、別の目的かを確認する。

② 開始時期、これまでの累積使用期間、薬の切り替え歴を整理する。

③ 予定する歯科処置と過去の侵襲的な処置を確認する。

④ 発症がまれであることと、関連した要因を分けて説明し、必要に応じて処方医と相談する。


確認項目は研究結果を診療へつなげるための提案です。処置の可否や薬の変更は、個別の診査と医科との連携を踏まえて判断します。休薬の効果はこの研究では検証していません。


【結果を読むときの注意】

米国の退役軍人のうち歯科給付を受け、対象条件を満たした人の観察研究です。日本のすべての患者さんへそのまま発症率を当てはめられません。44件という発症数や処置との関連の信頼区間の広さにも注意が必要です。薬剤別・患者別の絶対リスクや、休薬によるリスク低下を示した結果ではありません。


【先生方はどう確認していますか?】

❓ 薬剤の開始時期や切り替え歴は、患者さん・処方医とどのように共有していますか?

❓ 抜歯などの必要性と、低頻度のリスクをどう説明していますか?



【出典】

Elam RE, Schousboe JT, Finch D, et al. Cumulative antiresorptive exposure and dentoalveolar procedures increase medication-related osteonecrosis of the jaw risk in U.S. veterans treated for fracture prevention. Bone. 2026 Oct 24. doi:10.1016/j.bone.2026.118152. PMID:42926073.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42926073/

https://doi.org/10.1016/j.bone.2026.118152


画像は薬剤歴の確認を表す概念イメージです。


口腔外科#抜歯口腔外科#外傷口腔外科#その他
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