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包括的歯科治療の実践と次世代を担う人材の育成のために【Dr's Interview#06】

パノラマは歯科治療の入り口と言える。

歯科医師だけでなく歯科衛生士も共有できる、情報の宝庫であるパノラマだが、それを体系的に学べる「パノラマの専門書」があったら…


そんなパノラマ撮影の要所を、体系的にわかりやすく解説した専門書

『パノラマ診断 パーフェクトガイド(クインテッセンス出版)


同書の著者であり、講演活動をはじめ、多方面にわたり精力的にご活躍されている、吹上みなみ歯科(愛知県名古屋市) 院長の相宮秀俊先生に

「歯科臨床で重要視しているポイント」「歯科業界の課題解決に向けたビジョン」などについて、お話を伺った。




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|  1. 放射線の専門家が語るパノラマとは



多くの歯科医院で最初の診断用資料として撮影されるパノラマ写真は、

歯列や顎骨、顎関節などを1枚で俯瞰的に見ることができるものだ。



臨床情報が集約されたパノラマのことを、

相宮先生は「歯科医療の診断における交差点」と呼んでいる。



相宮先生:「パノラマ写真には患者の口腔内の状態や既往歴、骨粗鬆症や全身疾患までにおよぶ内容が散りばめられています。パノラマは日常臨床でよく使われるものですが、どのような順番でどう見ればいいのかといった点に悩むドクターが意外に多いのです。臨床現場で生じやすいパノラマに関する疑問を掘り下げて、臨床の攻略本にしたいという思いを込めて執筆しました」



|  2. 包括的歯科治療における患者コンサルテーションの重要性



パノラマは、相宮先生が実践している包括的歯科治療の中核をなすものでもある。



相宮先生:「包括的歯科治療とは、主訴だけでなく口腔内全体の問題点を患者さんと共有して行う総合的な治療です。例えば歯の動揺といった病的な問題があれば、炎症のコントロールと力のコントロール、細菌が感染して起きる病態と噛み合わせに代表される力の問題、両方の改善が重要なテーマになります。噛み合わせなどもしっかりと検査して診断し、個々の患者さんにとって最適な治療を進めていきます」



包括的歯科治療に代表されるクオリティの高い歯科医療を実現するために、

相宮先生が最も重視しているのが、患者コンサルテーションだ。



相宮先生:「検査→診断→治療という流れに対する患者コンサルテーションにフォーカスを当てた歯科医療に、大学卒業時から一貫して取り組んできました。患者コンサルテーションでは、患者さん自身が問題に気付き、その問題の解決に向けて歩み出すかどうかが最大のポイントとなります。患者さんのニーズをしっかり捉えた上で、スペシャリストとして対応することが重要です。患者コンサルテーションを行う上で大きなウェイトを占めるのは、専門性だと考えています」



相宮先生は現在も、臨床現場円滑化のために、スタッフ教育の仕組みづくりや医院体制の構築を精力的に続けている。勤務医時代に医局長として携わった経験とノウハウをもとに自院を洗練させ、診療クオリティを高める精鋭部隊として機能するチームを作り続けてきた。



|  3. 若い世代には何が不足しがちなのか



大手医療法人系の講演会などで、若手の歯科医師と接する機会が非常に多い相宮先生であるが、そこで感じる「若い世代の変化」を歯科業界の課題だと捉えている。



相宮先生:「歯科医師として研鑽する姿勢がどんどん変化しており、短時間で学ぼうとする傾向が目立つようになっていると感じます。トップ層の一角には非常に優秀なスター人材が増えている反面、技術やスキルが不十分な人々が増えているのも実情でしょう。従来の歯科教育では実践的な教育を現場が担う形になっていましたが、患者満足度に対する要求が高まる時代において、若手が経験を積む機会が減少している現状を踏まえると、若手自身が自主的に研鑽を積む姿勢が、より重要であると考えています」



もう一つ、

これからの歯科業界の変化については超高齢社会のニーズに即した治療の提供が、よりいっそう重要になると考えている。



相宮先生:「お年寄りの患者さんを診ることが増え続けることで、口腔の検査をしっかり行った上で、機能管理を実践すること、包括的歯科治療の重要性が高まっていくだろうと思っています。その一方で、成長発育の仕方にフォーカスし、若いうちに矯正治療を受けてもらうといった点も、重要なファクターになってくるでしょう」



|  4. 魅力的な歯科医師像を次世代に示していきたい



現状の歯科業界の課題を踏まえ、

相宮先生は「教育に向けて独自の取り組みを進めたい」というビジョンを描いている。



相宮先生:「教育には3つのポイントがあります。学生が歯科医師を目指すことに魅力を感じるかどうか、歯科学生が将来こうなりたいと思う歯科医師像があるかどうか、そして卒後教育です。特に私は、これからも卒後教育に取り組んでいこうと考えていますが、卒後教育の場で魅力的な先生をしっかりと示していきたいと思っています。こんな先生になりたいというモデルになる人ですね。技術的な部分だけでなく、経済的にも未来に夢を感じられるような試みを進めていきたいですね。アメリカで歯科医師が人気職業である理由は、医療費を中心としたシステムがしっかりと構築されていて、歯科医療そのものに経済的な魅力もあるからでしょう。保険診療だけでなく、自由診療でこういうことをすれば経済的にも余裕が持てるといったことも含めて、次世代に伝えていくべきだと考えています」



大型医療法人の歯科医師向けセミナーや症例相談といった、現在行っている活動に加え、スペシャリスト育成に向けた活動にも力を注いでいきたいと考えている。



相宮先生:「スペシャリストとして最先端の治療を行うことができ、執筆や講演活動もできる先生方の育成、トップを目指そうという意識のある先生方に向けた講演やプライベートセミナーを今後も積極的に行っていきたいですね」



|  5. 歯科医師同士、また専門医や社会をつなぐ医療者TERRACE



診療、教育、執筆といった活動に精力的に取り組む相宮先生に

医療者TERRACEに期待していることを聞かせていただいた。



相宮先生:「医療者TERRACEを通して、私たち専門医の活動内容が多くの人々の目に触れるようになれば、非常にありがたいですね。歯科医師との情報共有という点で、そういう場所が不足しています。ニーズがあるところに専門医をつなぐ役割を医療者TERRACEが担ってくれることに期待しています」





| ドクターズプロフィール



吹上みなみ歯科相宮 秀俊

日本口腔インプラント学会(専門医)

プロフィール (LINK)

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| 出典


クインテッセンス出版株式会社 (LINK)

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| レポーター


\\ 歯科医療者の皆様を第一に!//

医療者TERRACE 編集部

山崎 康弘 



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