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抗菌薬だけで様子を見る?重症化した歯内感染229例から考える🦷

重症歯性感染で入院した384例のうち、229例(59.6%)が歯内由来と判断されました。


さらに、歯科診療記録を確認できた症例の34%では、根尖性歯周炎に対して原因歯への処置を開始せず、全身抗菌薬が処方されていました。


ただし、この研究は入院患者を対象とした後ろ向き研究です。「抗菌薬だけだったから入院した」という因果関係を示したものではありません。


重要な数字はこちら👇


・重症歯性感染による入院 384例


・歯内由来と判断された症例 229例(59.6%)


・未処置の歯が原因とされた症例 121例(52.8%)


・根管充填歯のうち、長さと封鎖性が不十分と評価された割合 85%


・原因歯への処置開始なしで全身抗菌薬が処方されていた割合 34%


では、歯内感染の患者さんで全身抗菌薬を考えるとき、原因歯への処置や紹介の判断をどう組み合わせればよいのでしょうか?


この研究から臨床で押さえたい点は3つです。


✅ 入院した歯内由来症例では、「未処置の歯」が最も多くみられました。


歯内由来229例の内訳は、未処置121例(52.8%)、根管充填済み44例(19.2%)、歯内治療中44例(19.2%)、不明20例(8.7%)でした。入院症例に限った分布であり、一般の歯内感染患者が重症化する確率を表す数字ではありません。


✅ 全身抗菌薬の処方記録があっても、原因歯への処置が同時に始まっていない症例がありました。


歯科診療記録では、根尖性歯周炎に対して34%が原因歯への処置を開始せず、全身抗菌薬を受けていました。抗菌薬の適応を判断するだけでなく、排膿や歯内治療などの原因への処置、重症度評価、必要時の紹介を一連の判断として考える重要性が示唆されます。


✅ 根管充填済みの歯でも、処置の質を再評価する必要があります。


研究者の評価では、根管充填歯の85%が長さと封鎖性の点で不十分でした。既治療歯だから歯内由来を除外するのではなく、画像所見や治療歴を含めて原因歯を再評価する視点が必要です。


研究の限界


この研究は、2012年11月から2019年12月にコペンハーゲン大学病院へ入院した重症歯性感染患者を対象にした後ろ向きコホート研究です。単施設の入院症例であり、外来を含む一般患者の発生率や、個々の治療が重症化を防いだかどうかは分かりません。


また、抗菌薬処方と入院の因果関係を検証した比較試験ではありません。「全身抗菌薬は不要」と結論づける研究でもなく、患者の全身状態や感染の広がりに応じた適応判断は別途必要です。


先生方はどうしていますか?


❓ 根尖性歯周炎で腫脹や疼痛が強い患者さんに対し、原因歯への処置、全身抗菌薬、医療機関への紹介をどの所見で使い分けていますか?


❓ 根管充填済みの歯が感染源として疑わしいとき、再治療・外科的歯内療法・抜歯・紹介の判断で最も重視する所見は何ですか?


「処置を急いで紹介につなげた」「既治療歯の評価で迷った」「抗菌薬を処方するタイミングに悩んだ」など、実際の判断や経験をぜひ教えてください👇


※歯科医療者向けの論文紹介であり、個別の診断・治療指示ではありません。


|出典


Journal:International Endodontic Journal


原著タイトル:Severe Odontogenic Infections With Endodontic Origin: A Retrospective Cohort Study.


著者:Emma Nesheim, Rasmus Søndenbroe, Simon Storgård Jensen, Maria Pigg, Victoria Dawson, EndoReCo, Merete Markvart


発表年:2026


DOI:10.1111/iej.70258


PMID:42693803


PubMed:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42693803/


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