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1歳半で授乳を続けている子、3歳までのう蝕予防で何を伝える?🦷

1歳半で授乳を続けていた子の3歳時のう蝕は35.9%、続けていなかった子は23.7%。沖縄の健診データを用いた研究で、授乳継続とう蝕の関連が報告されました。



ただし、これは「授乳をやめれば、う蝕が防げる」と示した研究ではありません。診療で持ち帰りたいのは、授乳の継続・中止だけで相談を終えず、その家庭で続けられる予防まで一緒に考えることです。


【何を調べた研究?】

沖縄県で2014~2019年に行われた1歳6か月児健診と3歳児健診の記録をつなぎ、必要な情報がそろった69,165人を解析しました。


1歳半時点で「授乳を続けている」と回答した群と、続けていない群で、3歳時のう蝕を比較しています。夜間授乳や授乳回数を比べた研究ではありません。


【重要な数字】

・解析対象 69,165人

・1歳半で授乳継続 12,788人

・3歳でう蝕が1歯以上 授乳継続群35.9%/非継続群23.7%

・3歳でう蝕が3歯以上 授乳継続群19.2%/非継続群10.5%


上の割合は、背景因子を調整する前の観察値です。「3歯以上」は、この研究で重度う蝕として用いた定義です。


性別、甘味飲料、歯磨き介助などを調整した解析でも関連が残り、う蝕1歯以上の調整オッズ比は1.89(95%信頼区間1.82~1.98)でした。これは「発症リスクが1.89倍」と同じ意味ではありません。


では、授乳を続けたい家庭には、何を伝えるとよいのでしょうか?


【研究から分かること・予防相談へのつなぎ方】

✅ 「授乳しているか」だけで終わらせない

研究では授乳継続とう蝕に関連がありました。一方、夜間の授乳、授乳しながら眠る習慣、回数、最後の授乳後の清掃は測定されていません。授乳という一項目だけで、その子のう蝕の原因を決めないことが大切です。


✅ 授乳を支えながら、歯が生えた後のケアを具体化する

著者は、可能な範囲で授乳しながらの寝落ちを避けること、夜の最後の授乳後の口腔清掃、年齢に応じたフッ化物配合歯磨剤、定期的な予防歯科受診を提案しています。

これは論文の考察で示された予防の提案であり、この研究で各対策の効果を検証した結果ではありません。「まず何なら続けられそうか」を保護者と相談する材料として使います。


✅ 母乳だけを悪者にしない

著者は、母乳単独と、砂糖を含む飲食物などが加わった口腔環境を区別して考察しています。授乳には利点があり、今回の結果を乳児期以降の授乳への反対根拠と解釈しないよう明記しています。断乳を一律に勧める結論にはしません。


【エビデンスの限界】

観察研究なので、授乳がう蝕の原因だとは断定できません。授乳の頻度・夜間授乳・フッ化物利用・予防歯科受診・世帯収入など、把握できていない要因があります。1歳半時点のう蝕を考慮した追加解析でも関連は残りましたが、こうした影響がすべて除かれたわけではありません。対象は沖縄県の健診参加児で、全国のすべての家庭に同じ割合を当てはめることもできません。


【先生方はどう伝えていますか?】

❓ 授乳を続けたい保護者と、夜の歯磨きや授乳後のケアを、どのように相談していますか?

❓ 「まず一つ、これならできそう」と家庭に取り入れてもらいやすかった声かけや工夫はありますか?


「授乳の話から入るより、寝る前の生活を一緒に整理したら話しやすかった」「この伝え方なら負担感を増やさず相談できた」など、診療での実際の工夫をぜひ教えてください。



【出典】

Yodoshi T. Prolonged Breastfeeding at 18 Months and Early Childhood Caries at Age 3 Years: A Population-Based Cohort Study From Japan.

International Journal of Paediatric Dentistry. 2026年10月13日オンライン公開。

DOI: 10.1111/ipd.70158

PMID: 42870517

PubMed: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42870517/

原著本文: https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/ipd.70158






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