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部分断髄の2年後、材料差より止血時間が手がかり?🦷

深いむし歯の部分断髄では、材料選びだけでなく術中の止血時間も記録しておきたい──成人の下顎大臼歯139歯を2年間追ったランダム化比較試験です。🦷

【臨床で迷うところ】深いう蝕で歯髄に近づいたとき、歯髄を一部残す部分断髄を選べるのか。材料を変えると予後が変わるのか。この研究は、White MTA Angelusと練和不要のカルシウムシリケート系セメントNeoPuttyを比較しました。


【研究の対象と方法】

対象は成人患者の成熟した下顎永久大臼歯139歯です。X線上でう蝕が歯髄から0〜1.5 mmの位置にあり、Wolters分類で初期・軽度・中等度・重度の歯髄炎と診断された歯に部分断髄を行いました。White MTA Angelus群64歯、NeoPutty群75歯に無作為に割り付け、24か月後の臨床・X線学的成功を評価しました。139歯すべてが24か月の追跡を完了しています。


【結果】

24か月後の成功率はWhite MTA Angelusで90.6%、NeoPuttyで92.0%。群間に統計学的な有意差は認められませんでした(p=0.774)。全体の成功率は91.4%でした。一方、止血時間は転帰と有意に関連していました(調整後オッズ比0.623、95%信頼区間0.429〜0.905、p=0.013)。術前のWolters分類による歯髄炎診断と転帰には、有意な関連が認められませんでした。


【明日からの判断にどう使う?】

今回の2製品では、24か月の成功率に明確な差は示されませんでした。したがって「一方の材料が優れている」とも「どの材料でも同等」とも断定できません。部分断髄を行う際は、材料名だけで判断せず、止血に要した時間を術中所見として記録し、経過観察につなげるのが実践的です。ただし、この研究の抄録から「何分以内なら成功する」という閾値は設定できません。


【読み解く際の限界】

1件の試験で、対象は成人の成熟した下顎大臼歯、比較は特定の2製品、追跡は24か月です。他の歯種・年齢層・材料へそのまま広げることはできません。また、止血時間との関連は因果関係の証明ではありません。個々の症例では診断、術中所見、修復の条件、フォローアップを併せて判断してください。

【出典】

Two-Year Outcome of Partial Pulpotomy Using Mineral Trioxide Aggregate or a Premixed Calcium Silicate Cement: A Randomized Clinical Trial. International Endodontic Journal. 2026 Sep 18. doi:10.1111/iej.70274. PMID:42755412.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42755412/



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