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乳臼歯の小さな象牙質う蝕、削らず封鎖する?3年後の欠陥を比べた研究🦷
乳臼歯の小さな咬合面う蝕では、削って修復する方法と、う蝕を除去せず封鎖する方法をどう選ぶでしょうか?

【まず結論】
乳臼歯の咬合面に限局した小さな病変では、う蝕を除去せずレジンで封鎖する方法も検討できます。ただし、封鎖後の欠陥は少なくありません。3年後の欠陥なしは封鎖71.2%、修復84.8%。差は統計学的に有意ではありませんでしたが、同等性を証明した結果ではありません。
【どんな歯を比べた?】
スウェーデンの6施設で、平均4.77歳の子ども66人を3年間追跡。各人の乳臼歯2歯を、封鎖と修復にそれぞれ割り付けました。対象は咬合面に限局し、幅または長さが咬合面の3分の1以下の小さなう蝕です。自然脱落まで3年未満と見込まれる歯や、治療部位に影響する低石灰化、広い病変などは除外されました。
【処置はどう違う?】
・封鎖群:麻酔やう蝕除去を行わず、リン酸処理と水洗・乾燥の後、レジン系シーラントで覆う。
・修復群:局所麻酔下でう蝕を除去し、レジン添加型グラスアイオノマーセメントで修復する。
いずれも綿球などを用いて防湿し、ラバーダムは使っていません。使用製品の国内承認・添付文書に沿って判断してください。
【3年後の結果】
欠陥なしは封鎖47/66歯(71.2%)、修復56/66歯(84.8%)でした(p=0.093)。欠陥には材料の欠け・喪失、二次う蝕などが含まれ、一律に「むし歯が進行した割合」を示す数字ではありません。欠陥が見つかった場合は修理し、その後の評価から除外しています。
2年時の欠陥なしは封鎖47/66歯(71.2%)、修復62/66歯(93.9%)で、この時点では封鎖群の欠陥が有意に多い結果でした(p=0.0005)。3年時だけを切り取り、封鎖後の管理が不要と解釈しないことが大切です。
【子どもの負担は?】
歯科医師による子どもの体験の評価は封鎖側で良好でした。一方、子ども本人の顔の尺度による評価と、歯科医師による協力度には有意差がありませんでした。「子ども全員が封鎖を好んだ」とまでは言えません。
【診療で確認すること】
① 咬合面の病変の大きさ、隣接面の状態、歯の症状や脱落までの見込みを確認する。
② 封鎖を選ぶ場合は、清掃・防湿を行い、材料の使用手順に沿って封鎖する。
③ 定期的に封鎖の欠けや脱離、辺縁、う蝕の変化、症状を確認し、異常があれば修理や再評価を行う。
これらは研究を踏まえた実務上の確認点で、個々の確認操作の効果をこの試験が直接比較したものではありません。
【読み取るときの注意】
3年間追跡できた66人の限局病変の結果です。広い病変、隣接面病変、痛みや感染がある歯など全ての症例に当てはめられません。欠陥の種類別の内訳も報告されていません。歯科医師による評価は盲検化されていませんでした。
【先生方はどう判断していますか?】
❓ 小さな乳臼歯う蝕を封鎖する場合、病変の範囲や防湿の見込みをどう確認していますか?
❓ リコールでは、シーラントの欠けや辺縁をどのようにチェックしていますか?

【出典】
Bågesund M, Olson AC, Chizarie S, et al. Resin-based sealing vs resin-modified glass-ionomer filling for treatment of occlusal cavitated dentine caries lesions in primary molars: a multi-center randomized controlled split-mouth 3-year follow-up clinical trial. Eur Arch Paediatr Dent. 2026;27:1065–1075. doi:10.1007/s40368-026-01161-7. PMID:41520098.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41520098/
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC13461868/
画像は処置の概念イメージです。
